COVID-19(新型コロナウィルス)陽性になって嗅覚がゼロになった備忘録

はじめに

7月の中旬に新型コロナウイルス(COVID-19)肺炎になりました。
熱、咳、喉の痛み、体の痛み等々に加え嗅覚障害になりそれが中々に大変だったので治るまでの経過ややった事を備忘録として記事にしてみます。ちなみに現在(7/27)も完治はしてません。

注意

この記事はあくまで私の症状と回復までした事を記録するための備忘録です。
「これをすれば嗅覚障害が治る」という記事ではありません。
いま現在嗅覚障害で悩んでる方はこの記事は参考にせず、耳鼻科で医師の適切な処置を受ける事をお勧めします。

時系列

  • 7/9 発熱 39度以上まであがる。激しい咳、鼻水、節々の痛みあり。この時点では嗅覚は無事。
  • 7/11 自宅で検査したところ陽性。病院に陽性である事を伝えつつ受診。この時点でも嗅覚障害の自覚がなかったので嗅覚障害の薬は処方されなかった。
  • 7/12 嗅覚脱失。完全に匂いがわからなくなる。鼻詰まりは順調に治っていくが匂いだけわからないという状態に。熱は平熱に。とりあえず鼻うがいを試してみるものの全く変化なし。
  • 7/16 当帰芍薬散が効くと聞いてドラッグストアで購入
  • 7/17 アロマオイルが届く。嗅覚トレーニング開始。
  • 7/18 やや匂いが戻ってきてる感あり
  • 7/20 3割くらい回復 耳鼻科を受診。内服薬と点鼻薬を処方される。
  • 7/23 5割くらい回復
  • 7/27 現在。8割から少しずつ回復しつつも、たまに匂いがわからなくなったりする。完治には至らず

嗅覚障害について

においは全くありません。無です。
風邪引いた時に鼻が詰まってにおいが感じづらくなったりしますが、鼻は通ってるのににおいだけ感じないという状態。
嗅覚障害が起きる原因は
1.鼻炎などで詰まって物理的ににおい物質が神経に届かなくなるタイプ(普通の風邪の時などはこれ)
2.鼻の嗅覚を感じる神経がバグってにおいがわからなくなるタイプ(新型コロナウイルス肺炎はこれが多い)
3.脳の嗅覚を司る部分が機能しなくなりにおいがわからなくなるタイプ(頭に怪我を負ったりするとなる事がある)
と分けられるらしいのですがCOVID-19陽性患者は2が多いそうです。
COVID-19ウィルスが嗅覚の神経を攻撃すらからとかなんとか(詳しくは検索してください)


嗅覚障害で一番辛かったこと

まずにおいを感じられないこと。
私は結構良い香りのするもの(香水やシャンプー、アロマオイルなど)が好きなタイプなのですがそれらが一切感じられなくなったのは本当に辛かったです。
そして何より食べ物が美味しく感じられないこと。
これはかなりきつかったです。味覚障害はなかったので甘味や塩味、酸味などの原始的な味は感じられました。
でも匂いがしないので常に鼻を摘んで何か食べているような感覚でした。食欲も無くなり、食べても虚無感しかないので何日かはゼリータイプのカロリーメイトを飲むかお茶漬けを食べるという病み上がりにしてはあまりよくない食生活をしてました(野菜食え)
食べ物の味って匂いが大半を占めてるんだなあとつくづく思いましたね。
大好きなコーヒーもただの苦い水だし、お酒も全然美味しくない。私は年がら年中酒飲んでる酒クズなのですが、嗅覚障害になってから二週間も酒断ちしました。だって全然美味しくないから…(治りが悪くなるからって理由じゃないあたりが酒クズ)
ただ匂いがしないので嫌いな食べ物も食べられたのだけは良かったかも。
私は刺身や寿司が苦手なのですが、この歳になって人前で好き嫌いするのもみっともないので法事などで寿司や刺身が出されたりすると息を止めて嫌々食べてました。(それもどうなんだ)が、嗅覚障害の時に法事に行って出された寿司は平然と食べられました。他の食事も味しなかったけど。


嗅覚障害以外の症状について

まず起きたのは体の痛みでした。
最初はなんか手が痺れてるなあと思ってたのが身体中に広がりあちこち痛み出す事に。
私は昔インフルエンザにかかった時もCOVID-19ワクチン打った後の副反応でもかなり体が痛くなったんですが、今回も例に漏れず全身痛くなりました。(副反応の時に書いた記事
そして39度以上の発熱、激しい咳、鼻水鼻詰まりも起き、あとものすごくお腹が張ったり下したりもしてました。が、元々胃腸が弱い方なのでCOVID-19の症状かはわからず。
また熱が出た後数日は息苦しさを感じる事もしばしば。大人しく寝ていれば問題なかったのですが、ちょうど仕事が休めない時期だったため仕事をしてる(在宅勤務)と疲れから息苦しさからか強くなる事がよくありました。
それらの症状自体はすぐに回復し、咳と鼻詰まりだけ長引きましたが一週間ほどでほぼ完治。嗅覚障害だけ残る状態に。


嗅覚障害になって試したこと

嗅覚がなくなって試してみた事です。
※繰り返しますが「これで治った」という記事ではありません。同じ方法を試して治るかどうかは保証できませんし、試す時は自己責任でお願いします。


鼻うがい

ハナノアを使って鼻うがいを試してみました。
まあ全く効果なし。うがいは喉も鼻も予防のためにやるものですね。
鼻うがい自体はCOVID-19やインフルエンザ予防に効果的らしいので続けようと思ってます。
それにしても公式サイトのトップ画像がすごいシュール。

漢方薬

調べてると当帰芍薬散が効くという情報を得たので飲む事にしました。
私は漢方薬はいくつか知ってるのですが何で当帰芍薬散?と更に調べてみるとエストロゲン(女性ホルモン)が嗅覚に作用するのだとかなんとか。
当帰芍薬散はPMS更年期障害など女性特有の体調不良に効果のある漢方薬です。嗅覚障害にも効果があるなんて初耳でした。
当帰芍薬散は大抵のドラッグストアで扱いがあるので手に入りやすいと思います。(値段は結構する)
ただ漢方薬とはいえ薬は薬なので服用する時はくれぐれも自己責任でお願いします。ホルモンにも作用する薬なので他に持病がある方は医師に相談した方が良いかと思います。

アロマオイルによる嗅覚トレーニン

調べてると複数のアロマオイルを嗅いで嗅覚トレーニングをする事が嗅覚障害の回復に繋がるという記事や動画が複数ヒットしました。

嗅覚が自然に回復するのを待ちきれなくなった彼は、耳鼻咽喉科の医師から勧められた嗅覚刺激療法を試すことにした。1日2回、バラ、レモン、ユーカリクローブの4種類のエッセンシャルオイル精油)の匂いを10週間嗅ぎ続けた。
この嗅覚トレーニング(訓練)には、新たに形成された嗅細胞の活性化や生存、形成されるペースの促進、あるいは鼻と脳とのつながりの再構築といった効果が期待されている。いわば運動障害を改善させる理学療法の嗅覚版だ。10年ほど前から、かぜやインフルエンザなどのウイルス感染や脳の損傷、老化などで失われた嗅覚を回復させるために行われている(編注:日本では保険適用外。また、日本人向けの匂いの種類については現在、臨床研究が広く行われている)。

「においがしない」 コロナで注目、嗅覚取り戻す「嗅覚トレーニング」 - 日本経済新聞

その時アロマオイルが手元になかったのですが、元々アロマオイルは好きでたまに買ってたのでこの機会にいくつか購入。(あとプライムデーで安かったので)

こちらのセットに追加でレモンローズマリーCTカンファーも購入。
仕事中も手元に置いといていつでも匂いを嗅げるようにしておきました。

 

耳鼻科を受診

まず最初にそれをしろよって思われるかもしれませんが、COVID-19感染による嗅覚障害は時間経過によりよくなる場合が多いので治療を急ぐ必要はないという記事がいくつかあり陽性者があまり外をウロウロするのも良くないなと思ったので10日は様子を見る事に決めていました。
10日経ってもあまり良くならなかったので仕事後に受診。
鼻の様子を見てもらうと少しだけ副鼻腔炎になっているものの鼻の中自体に炎症はほとんど無しとのこと。やっぱり嗅覚神経がやられてる事により匂いを感じなくなっているとのこと。
内服薬(メチコバール)と点鼻薬を処方されました。メチコバールはビタミンを補充する薬らしいです。(ビタミンB12が効くそう)
その他、喉に器具を突っ込んで直接薬を塗るという拷問みたいな治療も受けました。
これやる時はえずきそうになるのを耐えるだけで良かったんですが、その後喉がずっと痛くてそれが一番辛かった・・・。

 

結局どれが一番効果的だったの?

耳鼻科です。
耳鼻科を受診した次の日から結構回復した気がします。
結局あれこれ試したところで所詮素人判断でしかないので・・・それ言い出したら身も蓋もないですが。
嗅覚トレーニングも劇的な効果があるわけではなく、プラセボ効果が強いと思います。
ただ、毎日アロマオイルを嗅いで「今日はかなり匂いが戻ってる感じがする!」と実感するのはすごく嬉しかったです。
においっていうのは健康な時でも感じる時と感じない時の差が激しいと思います。だから手元に匂いの強いものを置いといていつでも嗅げるようにして嗅覚の回復を実感できるようにすると精神的にプラスになるかもしれません。
個人的にアロマオイルはおすすめですが(値段もそんなに高くないですし)アロマオイルなんて治ったらもて余しちゃうよという人は芳香剤とかコーヒー豆とかでも良いと思います。


嗅覚障害・新型コロナウイルス肺炎にかかって思ったこと

正直なところ、新型コロナウイルス肺炎が流行して以来一度もかかる事なく3年過ごしてきたので、もうかかる事はないんだろうなあと舐めてかかってました。
油断大敵とはまさにこの事で、そんな気の緩みが良くなかったんだと自分でも痛感してます。
感染経路はわかりません。私は完全在宅勤務なので通勤はしておらず外に出る機会は少ない方です。発熱する何日か前に友人と食事に出かけてますが、その友人は陽性にはなっておらずピンピンしています。また私は家族と同居していますが陽性なのは私だけで家族は一切症状がありませんでした。
(ちなみにワクチンは4回オミクロン株対応接種済み)
ただ最近は暑いのもあって出先でもマスクを外す機会が多かったのと、冷房をつけっぱなしにしたまま寝て身体を冷やしてしまったりして免疫力が下がっていたのだと思います。
完全にCOVID-19を舐めてた上に後遺症についても軽く見ていました。
あれほどニュースやSNSで感染された方の経験談が語られていたのに、自分にはそんな事起きないだろうと本当に本当に舐めていたんですね。
においが分からなくなる、五感の一つが効かなくなるというのは想像以上に恐怖な体験です。何よりもう一生このままなのかという不安感が強い。
今現在ももう完治しないんじゃないか、また再発しないかという不安感を抱えています。
もちろん陽性者の方々が皆そうだとは断じて言いませんが、自分がこうなったのは自業自得なんだろうなあとしみじみ思うのです。
そして何より、自分が嗅覚障害になってから嗅覚障害についてのあれこれを調べると本当に多くの人が嗅覚障害に悩んでる事を知りました。私と同じく新型コロナウイルス肺炎の後遺症でなった人がこんなに多いとも思ってなかったし「もう10年以上治ってません」という方も見かけました。
嗅覚がないという人が世の中にこんなに多いなんて・・・と自分がどれだけ世の中を知らない小さい人間であるかを痛感させられました。

色々なんか後ろ向きな話ばかりになってしまいましたが。
結論を言うと健康って大事だよね。という事です。
(小学生が考えたみたいな標語でまとめるな)
とはいえまた感染防止を徹底しろ!外出自粛すべき!とも思わず・・・。
これからまたどんどん規制が緩和されていくと思いますが、しっかり症状と後遺症と向き合いCOVID-19やその他の感染症と向き合い感染を防ぎながら生活したいと思います。